PDFをスキャンしたように見せる6つの方法:近くで見ても自然な仕上がりに

PDFをスキャンしたように見せるには、各ページを画像にして0.5〜2°ほど傾け、軽いノイズとぼかしを加えてグレースケールに切り替え、その画像をPDFにまとめ直します。無料のブラウザツールなら、ファイルをアップロードせず、何もインストールせずに、端末内で1分もかからずにすべて完了します。

Make PDF look scanned — Chrome ウェブストアで5つ星評価
2026年|ブラウザ内でローカルに動作する無料のスキャン風加工ツール。登録不要

「スキャンしたコピー」の提出を求める書類は今も多く、きれいなデジタルPDFは紙ベースの書類の中で浮いて見えることがあります。このガイドでは、1分で終わるブラウザツールから実物のプリンターとスキャナーまで、PDFをスキャンしたように見せる6つの方法を紹介します。具体的な設定値、検証済みの5つのレシピ、チェックリスト、そして正直な限界もあわせて解説します。

解像度の数値は米国連邦政府のデジタル化規則と裁判所の電子提出ガイドから、スライダーの値は当サイトのツールから引用しています。

PDFをスキャンしたように見せるいちばん速い方法は?

PDFをスキャンしたように見せるいちばん速い方法は、ブラウザで使えるスキャン風加工ツールです。ページを開いてPDFをドロップし、回転・ぼかし・ノイズを初期値のまま使うか調整して、結果をダウンロードするだけです。1ファイルあたり1分もかからず、費用もかかりません。

ほかの5つの方法は、速さと引き換えに細かな調整や物理的な本物らしさを得るものです。印刷ダイアログは手軽ですが、スキャンらしさは半分ほどにとどまります。ラスター画像編集ソフトはすべてを自由に調整できる反面、10〜30分かかります。スマホでの撮影や実物のプリンターとスキャナーを使う方法では本物のスキャン特有の痕跡が生まれますが、紙と時間と機材が必要です。6つの方法の違いは次の表のとおりです。

PDFをスキャンしたように見せる6つの方法の比較(5ページの書類1件あたりの所要時間は当サイトの目安)
方法所要時間費用必要なものリアルさプライバシー向いている用途
1. ブラウザツール1分未満無料最新のブラウザ高い端末内で処理、アップロードなしほとんどの人・ほとんどのファイル
2. Chrome拡張機能1分未満無料Google Chrome高い端末内で処理、アップロードなし頻繁な利用、まとめて処理
3. OSの印刷ダイアログ1〜2分無料WindowsまたはmacOS低〜中端末内グレースケールにするだけの場合
4. ラスター画像編集ソフト10〜30分無料〜有料編集ソフトとPDF書き出し機能高い(丁寧に作業すれば)端末内1回限りの独自の効果
5. 印刷した紙をスマホで撮影5〜10分用紙とトナー代プリンターとスマホ非常に高い端末内本物のスマホスキャンの見た目
6. 印刷してスキャン5〜15分用紙とトナー代プリンターとフラットベッドスキャナー本物のスキャン端末内本当のスキャンが必要なとき

おすすめを1つだけ挙げるなら、1ファイルには方法1を、まとめて処理するならその一括スキャンモードを使ってください。方法6に切り替えるのは、相手や窓口が「実際にスキャナーを通した書類」をはっきり求めている場合だけで十分です。

方法1:ブラウザでPDFをスキャンしたように見せる

Make PDF look scannedのWebツールは、PDFの各ページをブラウザ内で画像にレンダリングし、回転、ぼかし、ノイズ、明るさ、コントラスト、紙の色味を加えてから、その画像を新しいPDFとして保存します。ファイルが端末の外に出ることはなく、無料で登録も不要です。

内部ではPDF.jsを使っています。Mozillaはこれを「PDFを解析・レンダリングするための、Web標準に基づく汎用プラットフォーム」と説明しています。各ページはHTMLのcanvasに描画されます。処理がローカルで行われるため、一度読み込めばオフラインでも動作し、スマホのブラウザでも使えます。

ブラウザツールでPDFをスキャンしたように見せる手順

  1. スキャンツールを開く。Chrome、Edge、Safari、Firefoxのいずれかで無料のスキャンツールを開きます。アカウントもインストールも必要ありません。
  2. PDFを追加する。ファイルをページにドラッグするか、クリックして選択します。JPG、PNG、WebP、SVG、GIF、BMP、DOCX、XLSX、CSV、TXT、MD、HTMLファイルにも対応しています。
  3. ライブプレビューを確認する。1ページ目が初期設定の効果を適用した状態で表示されます。初期値は回転1°、ランダムなばらつき0.5°、ぼかし0.3、ノイズ0.1、グレースケール、解像度2×です。
  4. 傾きを設定する。オフィスでスキャンしたように自然に見せるには、「回転」を0.5°〜1.5°にします。「回転のばらつき」は0.5〜1°にしておくと、手で原稿を差し込んだときのように、ページごとに少しずつ角度が変わります。
  5. ぼかしとノイズを調整する。「ぼかし」を0.2〜0.4にすると、ベクターならではのシャープすぎる輪郭がやわらぎます。「ノイズ」を0.1〜0.25にすると、センサーのような細かい粒が加わります。決める前にプレビューを100%に拡大して確認しましょう。
  6. カラーモードと紙の色味を選ぶ。契約書や手紙には「グレー」が合います。スタンプやロゴ、色付きの書式がある場合は「カラー」を選び、オフホワイトの紙にしたいときは「黄ばみ」を0.2〜0.6に上げます。
  7. 解像度を選ぶ。2×(約144dpi)がバランスのよい初期値です。3×(約216dpi)はよりシャープになりますが、ファイルサイズが大きくなります。
  8. ダウンロードする。ダウンロードボタンをクリックして、新しいPDFを保存します。一度開いて、すべてのページが処理されているか確認してください。

スキャンツールの各スライダーの役割は?

それぞれの設定項目は、実際のスキャナーで生じる不完全さの1つひとつに対応しています。以下の範囲と初期値はツールからそのまま引用しているので、このガイドのレシピを正確に再現できます。

回転(−10°〜10°、初期値1°)
すべてのページを同じ角度で傾け、原稿台の端から少しずれて置かれた用紙を再現します。
回転のばらつき(0〜10°、初期値0.5°)
ページごとにランダムな傾きを加え、複数ページの書類が不自然にそろって見えないようにします。
ぼかし(0〜1、初期値0.3)
スキャナーの光学系やJPEG圧縮と同じように、輪郭をやわらげます。
ノイズ(0〜1、初期値0.1)
センサーノイズや紙の質感のような、ランダムな細かい粒を加えます。
明るさとコントラスト(0〜2、初期値1)
明るさを上げると紙の色が白っぽく飛び、コントラストを上げるとコピー機で複写したような見た目になります。
黄ばみ(0〜2、初期値0)
ほのかなクリーム色から古い紙まで、暖かみのあるセピア調の色味を加えます。「グレー」と「カラー」のどちらのモードでも使えます。
カラーモード(グレーまたはカラー、初期値はグレー)
「グレー」は、オフィスでよくある白黒スキャンを再現します。
枠線(あり・なし、初期値はなし)
一部のスキャナーが読み取ってしまう端の線のように、1ピクセルの細く暗い枠を描きます。
解像度(1×〜3×、0.5刻み、初期値2×)
PDFのページは1インチ=72ポイントでレイアウトされているため、1×は72dpi、2×は約144dpi、3×は約216dpiに相当します。

72dpiという基準には理由があります。PDFやPostScriptのページ座標は、1インチ=72ポイントという組版の慣習に従っています。そのため倍率を見れば、各ページ画像の実質的なスキャン解像度がわかります。

追加機能:透かし、スタンプ、メタデータ

スキャン効果のほかに、テキストまたは画像の透かしを入れたり、横位置・縦位置・サイズを調整できるスタンプや署名の画像を加えたりできます。PDFメタデータのタイトル、作成者、件名、キーワード、PDF変換ソフト、作成アプリケーションの各欄も編集できます。署名の画像は、自分自身の署名である場合にだけ使ってください。

複数のPDFファイルをまとめてスキャン風にするには

まとめて処理するときは一括スキャンを開き、すべてのファイルを追加して効果を一度設定し、1つのZIPファイルとしてまとめてダウンロードします。入力したファイルはそれぞれ別のスキャン風PDFになるので、請求書10件を入れれば10件のスキャン風PDFができあがります。

Word、Excel、Google ドキュメントのファイルは先にPDFに書き出すこのツールはPDFならレイアウトどおりに読み込みますが、DOCXからは元のテキストだけを取り出し、A4のページにHelvetica 11ptで組み直します。そのためフォント、表、画像は失われます。スプレッドシートはCSV形式のテキストになります。レイアウトが大切な場合は、まずPDFとして保存し(Google ドキュメントなら「ファイル」→「ダウンロード」→「PDF ドキュメント(.pdf)」)、そのPDFをスキャン風にしてください。詳しくはWordやGoogle ドキュメントの書類をスキャン風にする方法で解説しています。

方法2:ChromeでPDFをスキャン風にする

Make PDF look scannedのChrome拡張機能は、同じスキャンエンジンをブラウザのサイドパネルに組み込んだものです。新しいタブを開かなくても、PDFをスキャン風にできます。ファイルは端末内で処理され、複数のファイルを一度に扱い、1つのZIPファイルにまとめてダウンロードできます。

毎週のように書類を変換する方や、メールや書類提出ポータルなどのWebアプリで作業しながらPDFファイルをスキャン風にすることが多い方には、拡張機能のほうが便利です。サイドパネルはページの横に開いたままになるので、作業中の画面から離れることなく、ファイルをドロップして効果を調整し、ダウンロードまで済ませられます。

  1. 拡張機能をインストールする。Chrome ウェブストアのMake PDF look scannedのページを開き(5つ星の評価を獲得しています)、「Chrome に追加」をクリックします。
  2. 固定する。ツールバーの拡張機能アイコン(パズルのピース)をクリックし、拡張機能を「固定」して、ワンクリックで開けるようにします。
  3. サイドパネルを開く。拡張機能のアイコンをクリックすると、ブラウザウィンドウの右側のパネルにスキャンツールが開きます。
  4. ファイルを1つまたは複数追加する。PDFや画像をパネルにドロップします。Webツールと同じファイル形式とスライダーが使えます。
  5. 調整してダウンロードする。回転、ぼかし、ノイズ、カラーモードを設定し、スキャン風PDFを1つ、または複数ファイルの場合は1つのZIPとしてダウンロードします。

Microsoft EdgeなどのChromiumベースのブラウザでも、たいていはChrome ウェブストアから拡張機能をインストールできます。ただし、サイドパネルの操作性はGoogle Chrome向けに設計・テストされています。職場のパソコンで拡張機能をインストールできない場合は、ブラウザ版のツールを使えば、何もインストールせずにまったく同じ仕上がりが得られます。

方法3:印刷ダイアログでPDFをスキャン風にできる?

WindowsやmacOSに標準搭載されている印刷ダイアログでは、PDFを部分的にしかスキャン風にできません。「Microsoft Print to PDF」やmacOSのプレビューでページをグレースケールにしたり圧縮したりはできますが、傾き・ぼかし・ノイズは加えられないため、スキャンではなく灰色のデジタルファイルに見えてしまいます。

OSの標準機能だけでPDF書類をスキャンしたように見せる方法を探しているなら、知っておきたいのがこの方法です。

とはいえ、印刷ダイアログがいちばん役立つのは2つの場面です。Webツールをまったく使えないときと、下準備として使うときです。Word、Excel、Webページを先にPDFとして印刷しておけばレイアウトが保たれ、そのPDFに本格的なスキャン効果をかけられます。

Windows:Microsoft Print to PDF

Windowsには「Microsoft Print to PDF」という仮想プリンターがあり、どのアプリでもプリンターの一覧に表示されます。PDFを開いてCtrl+Pを押し、「Microsoft Print to PDF」を選択します。PDFビューアーに設定がある場合は「カラー」を「白黒」または「グレースケール」にして、新しいファイルを保存します。

PDFビューアーによっては、印刷の「詳細設定」に「画像として印刷」というオプションもあります。これをオンにすると各ページが画像化され、デジタルで作成されたファイルの典型的な特徴である「選択できるテキスト」がなくなります。ただし、ページは完全にまっすぐで、まっさらにきれいなままです。

macOS:プレビューのQuartzフィルタで書き出す

Macでは、印刷できるアプリならどれでもPDFとして保存できます。「ファイル」→「プリント」→「PDF」→「PDFとして保存…」を選ぶだけです。スキャンのような色調にしたい場合は、PDFをプレビューで開いて「ファイル」→「書き出す…」を選び、「白黒」「グレイトーン」「セピアトーン」などのQuartzフィルタを指定します。

Appleの説明によると、プレビューのQuartzフィルタはPDFの色を変更します。たとえば、カラーの書類を白黒にできます。「ファイルサイズを減らす」フィルタは画像も再圧縮するため、埋め込まれた画像にはJPEGらしいわずかなやわらかさが加わりますが、テキストには効果がありません。

印刷ダイアログではスキャン風の見た目が中途半端になるのはなぜ?

本物のスキャンページは紙を撮影した写真のようなものです。わずかに傾き、輪郭がやわらかく、背景はグレーやクリーム色で、ランダムな細かい粒があります。印刷ダイアログは色を変え、場合によっては画像化もしますが、ページを動かしたり劣化させたりはしません。結果を並べて比べてみましょう。

OSの印刷ダイアログで再現できること・できないこと
スキャンの特徴Microsoft Print to PDFmacOSプレビューのQuartzフィルタブラウザのスキャンツール
グレースケールビューアーによるできるできる
テキストを選択できなくなる「画像として印刷」を使った場合のみできないできる
ページごとのわずかな傾きできないできないできる(−10°〜10°)
やわらかい輪郭とノイズできないできないできる
紙の色味できないセピアのみできる(調整可能)

ジェームズ・マディソン大学のアクセシビリティチームは、この副作用をうまくまとめています。「文書をPDFに印刷するだけ、あるいはテキスト認識やOCR(光学文字認識)を行わずにスキャンするだけでは、たいてい画像ベースのアクセシブルでないファイルになります。」画像化した出力がスキャンのように感じられるのはまさにこのためであり、元のファイルを必ず残しておくべき理由でもあります。

方法4:画像編集ソフトで手作業でスキャン風にする

ラスター画像編集ソフトを使えば、効果を1つずつ手作業で加えて、PDFをスキャンしたように見せることができます。ページを画像として書き出し、わずかに回転させ、ノイズとぼかしを加え、レベルを補正してから、PDFにまとめ直します。すべてのページを思いどおりに調整できますが、1件あたり10〜30分かかります。

PDFをスキャンしたように見せる仕組みを一つひとつ理解したいなら、すべての効果を自分でかけるこの方法がいちばん勉強になります。

回転、ノイズ、ぼかし、レベル補正の機能があるラスター画像編集ソフトなら、無料でも有料でも構いません。作業の流れはどのソフトでも同じで、違うのはメニュー名だけです。ページごとに個別に作業するつもりでいるか、ソフトが対応していれば手順をアクションやマクロとして記録しておきましょう。

  1. ページを画像として書き出す。PDFビューアーの書き出し機能や「画像として保存」を使います。150〜300dpiのPNGまたは高画質のJPEGを選びます。文字中心の書類なら200dpiがちょうどよい中間値です。
  2. グレースケールに変換する。色付きのスタンプや署名がない限り、まず画像モードをグレースケールに切り替えます。そうすると、以降の工程がすべて本物のスキャナーに近い結果になります。
  3. 0.5〜2°回転させる。90°単位のプリセットではなく、角度を指定して回転させます。ページごとに0.7°、−0.4°、1.1°のように角度を変え、はみ出して空いた角は白か明るいグレーで塗りつぶします。
  4. ノイズを加える。2〜5%のモノクロのガウスノイズをかけます。およそ8%を超えると、スキャナーのセンサーではなくフィルムの粒子のように見え始めます。
  5. わずかにぼかす。200dpiの画像に半径0.3〜0.6ピクセルのガウスぼかしをかけると、ベクター文字のシャープすぎる輪郭が消えます。
  6. レベルを補正する。黒点を少し持ち上げて黒を濃いグレーにし、白点を少し下げて紙がほんのりグレーやクリーム色になるようにします。
  7. JPEGで保存する。画質75〜85%で保存すると、ブロックノイズを目立たせずに、本物のスキャンのような控えめな圧縮によるやわらかさが加わります。
  8. PDFにまとめ直す。画像を元の順番に並べ、1つのPDFにまとめます。たとえばmacOSのプレビュー(ページを選択→「プリント」→「PDFとして保存…」)や、Windowsの「フォト」アプリ(「印刷」→「Microsoft Print to PDF」)で行えます。

この手間が報われるのは、左余白を暗くする、本の綴じ目に沿った影を付ける、手描きで折り目を入れるなど、スライダーにない効果が必要なときです。一般的なオフィススキャンの見た目であれば、仕上がりは方法1とほぼ同じで、クリック数だけがはるかに多くなります。

方法5:スマホでPDFをスキャンしたように見せる

印刷した紙をスマホでスキャンすると、もっとも自然なスマホスキャンの見た目になります。PDFを印刷し、iPhoneの「メモ」Appや「ファイル」App、または多くのAndroidのカメラアプリやファイルアプリに組み込まれた書類スキャナーで読み取ります。スマホがページを切り抜いて平らに補正し、PDFとして保存してくれます。

Appleの説明によると、iPhoneやiPadでは「メモ」Appや「ファイル」Appで紙の書類をスキャンでき、スキャンを保存する前に四隅をドラッグしてページに合わせられます。多くのAndroidスマホにも、標準のカメラアプリやファイルアプリに同様の書類モードがあります。メニュー名はメーカーによって異なります。

  1. PDFを印刷する。80g/m²程度の一般的なコピー用紙と、標準の印刷品質で十分です。
  2. やわらかく均一な光を使う。窓からの自然光や、背中側にある天井の照明を使うと、自分の手やスマホのくっきりした影が写り込みません。
  3. コントラストのある面に紙を置く。暗い色の机に置くと、スキャナー機能が四隅を自動で検出しやすくなります。
  4. 各ページをスキャンする。スマホを紙と平行に保ちます。自動の切り抜きをそのまま使うか、四隅を自分でドラッグして合わせます。
  5. フィルタを選ぶ。グレースケールや「書類」フィルタはオフィスのスキャンのように見えます。カラーや写真のフィルタは、紙の質感や明るさのムラが残ります。
  6. PDFとして保存または共有する。すべてのページが1つの複数ページのPDFにまとまります。

スマホでスキャンしたものではなく、すでにスマホで撮った写真がある場合は、JPGやスマホの写真をスキャン風PDFに変換する方法のガイドで、スキャン効果をかける前に画像を切り抜いてまとめる手順を解説しています。

方法6:PDFを印刷して実際にスキャンする

PDFを印刷してフラットベッドスキャナーやシートフィードスキャナーに通せば、模倣ではない本物のスキャン文書ができます。文字中心ならグレースケール・200〜300dpiでスキャンしてPDFとして保存します。本物の傾き、ほこり、トナーの質感、わずかなコントラストの低下が生じることを見込んでおきましょう。

参考までに、米国連邦政府の規則は本格的なデジタル化の最低基準を定めています。アメリカ国立公文書記録管理局(NARA)の規則は、現代の文字資料について次のように定めています。「これらの記録については、原資料の寸法に合わせて、最低300ppiの画像ファイルを作成すること。」同じ規則では、約294ppi、つまり300ppiから2%低い値までは許容されています。

FADGI(米国連邦政府機関のデジタル化ガイドライン)は、綴じられていない書類を星の数で評価しており、1つ星の約200ppiから4つ星の400ppiまでの段階があります。日常的なオフィスのスキャンはたいていこの範囲の下限にあたるため、手紙や申込書であれば200dpiでも十分に本物らしく見えます。

解像度
一般的なオフィススキャンの見た目なら200dpi。裁判所や行政機関から指定がある場合は300dpi。
カラーモード
ほとんどの文字資料はグレースケール。FAXやコピー機のようなくっきりした見た目にしたいなら白黒(1ビット)。カラーは原本に色がある場合だけ。
用紙
一般的なコピー用紙。わずかにオフホワイトの紙や再生紙を使うと、自然な色味が加わります。
置き方
原稿台のガイドに用紙をぴったり合わせないでください。わずかな自然な傾きこそが大事です。

傾きは自然に生じます。FADGIは「読み取った画像に見られるスキューは、多くの場合、カメラの焦点面と原稿台が平行になっていないことに起因する」と指摘しています。方法1の「回転のばらつき」スライダーが再現しているのは、まさにこの、ページごとにわずかに異なる傾きです。

PDFをスキャンした書類のように見せる設定は?

PDFをスキャンした書類のように見せる設定は、どんな種類のスキャンを再現したいかによって変わります。きれいなオフィススキャン、コピー、FAX風、古い紙、スマホスキャン風の5つのレシピで、ほとんどのケースに対応できます。以下の値はすべて、ブラウザツールでそのまま使えます。

特定の種類のスキャン文書のようにPDFを見せたい場合は、該当する行を選んでください。

これらのレシピは、一般的な手紙、請求書、申込書で調整した当サイト独自の出発点です。基準として使い、レシピの値を入れたらプレビューを100%に拡大し、書類に合うまでスライダーを1つずつ動かしてください。

Make PDF look scannedツールで使える、スライダーの値を明記した5つのスキャン風レシピ
レシピ回転/ばらつきぼかしノイズ明るさ/コントラスト黄ばみカラーモード枠線解像度
オフィススキャン0.5°/0.5°0.20.11.05/1.10グレーなし2×
コピー1°/1°0.30.251.1/1.40グレーあり2×
FAX風1.5°/1°0.50.351.15/1.60グレーあり1.5×
古い紙1°/1.5°0.30.20.95/1.10.6カラーなし2×
スマホスキャン風2°/1.5°0.40.151.05/1.20.2カラーなし2×

オフィススキャン:迷ったらこれ

書類の提出フォームに「スキャンしたコピーをアップロードしてください」とだけ書かれている場合は、オフィススキャンのレシピを使いましょう。控えめなノイズと0.5°の傾きは、きちんと手入れされたオフィスのスキャナーで読み取ったように見え、コントラストをわずかに上げることで小さな文字も読みやすく保てます。2×ではページ画像が約144dpiになり、画面上で快適に読むには十分です。

コピー風とFAX風の見た目

コピーはもっと硬い印象になります。コントラストを上げると中間のグレーがつぶれて白と黒に分かれ、枠線はコピー機がよく残す暗い縁を再現します。FAX風のレシピはさらにノイズを増やし、解像度を1.5×(約108dpi)にします。これはG3規格FAXの標準モードの垂直解像度である約100ライン/インチに近い値です。

古い紙風とスマホスキャン風の見た目

古い紙に見せたい場合は、「カラー」に切り替えて「黄ばみ」を0.6程度に上げ、明るさを少し下げます。ページが暖かみのあるクリーム色になります。スマホスキャン風のレシピは、室内の照明の下で撮影したページのように、2°とやや大きめの傾きとほのかな暖色を加えます。ほかのプリセットについては、スキャン風加工の設定ガイドをご覧ください。

小さな文字を読みやすく保つ脚注や9pt未満の文字がある書類では、「ぼかし」を0.3以下にとどめ、解像度を2.5×または3×にしてください。ぼかしとノイズはまず小さな文字から読みにくくします。読めないスキャンでは意味がありません。

PDFがスキャンしたように見えるか確認するには?

PDFがスキャンしたように見えるか確認するには、100%表示で開いて5つの点を確認します。テキストを選択できないこと、ページごとに角度が少しずつ違うこと、輪郭がシャープすぎずやわらかいこと、背景が真っ白でないこと、そしてファイルのプロパティにワープロソフトの名前が残っていないことです。

本物のスキャンには、アーキビストが取り除こうとする欠陥が含まれています。NARAの規則は、そのひとつを端的に定義しています。「ノイズとは、デジタル化された記録に含まれる、原資料の一部ではない1つ以上の望ましくない画像上の痕跡である。」説得力のあるスキャン風の見た目には、このノイズがゼロでも多すぎでもなく、少量だけ、制御された形で必要です。

  1. テキストを選択してみる。PDFビューアーでCtrl+AまたはCmd+Aを押します。スキャン風PDFでは各ページが画像なので、何もハイライトされません。
  2. 単語を検索する。意図的にOCRをかけていない限り、Ctrl+FまたはCmd+Fで何も見つからないはずです。
  3. ページの角度を比べる。何ページかスクロールしてみます。回転のばらつきがオンなら、ページごとに傾きが少しずつ違うはずです。
  4. 200%に拡大する。文字の輪郭はくっきりしたベクターのアウトラインではなく、少しやわらかく、かすかな粒があるように見えるべきです。
  5. 余白を見る。紙は真っ白ではなく、ごく薄いグレーかクリーム色になっているべきです。
  6. 「文書のプロパティ」を開く。「PDF変換ソフト」や「作成アプリケーション」の欄を確認します。このツールでは、タイトル、作成者、件名、キーワード、PDF変換ソフト、作成アプリケーションを編集できます。
  7. ファイルサイズを確認する。スキャン風PDFはテキストではなく画像を保存するため、元のファイルより大きく、数倍になることもよくあります。
  8. 1ページ印刷してみる。腕を伸ばした距離で印刷物が読めれば、どの提出ポータルにも使える設定です。

アップロードでは、ファイルサイズが重要です。おおまかな目安として、文字中心のページを2×・グレースケールで作成すると、1ページあたりたいてい数百KBの前半に収まりますが、3×・カラーではその数倍になることもあります。ポータルにサイズ制限がある場合は、解像度を1.5×に下げるか「グレー」に切り替えてください。DPIとファイルサイズのトレードオフについては、PDFを画像化してスキャンPDFにする方法で詳しく解説しています。

スキャン風PDFが不自然に見えるのはなぜ?

スキャン風PDFが不自然に見えるのは、たいてい効果のどれかがやりすぎか、デジタルファイルの痕跡が1つ残っているためです。全ページが同じ角度で傾いている、ぼかしが強すぎる、ノイズが粗い、背景が真っ白、テキストを選択できる、の5つです。これらを直せば、私たちが目にするトラブルの大半は解決します。

スキャン風PDFのトラブルシューティング:症状、原因、対処法
症状考えられる原因対処法
全ページが同じ方向に傾いている回転のばらつきが0ばらつきを0.5〜1.5°にする
スキャンではなく、ただ曲がって見える回転が3°を超えている0.5°〜2°の範囲にとどめる
文字がぼやけて読みにくいぼかしが0.5超、または解像度が1×ぼかし0.2〜0.3、解像度2×以上
フィルムの粒子のように見えるノイズが0.4超ノイズ0.1〜0.25
まだデジタルっぽく見える紙が真っ白、輪郭がシャープ明るさ0.95〜1.05、黄ばみ0.1〜0.3、ぼかし0.2以上
Wordファイルのレイアウトが崩れたDOCXを直接アップロードした先にPDFに書き出してからスキャン風にする
ファイルが大きすぎてアップロードできない解像度3×のカラー「グレー」と1.5×〜2×を使う
複数の写真が別々のPDFになった画像1枚につきPDF1つになる仕様先に画像を1つのPDFにまとめる

デジタルで作成されたファイルだとわかってしまう細部が、あと2つあります。1つ目は、ほかはグレーなのにロゴだけカラーのページです。これは書類の一部だけを変換したときに起こるので、ファイル全体を同じ設定で処理してください。2つ目はメタデータで、「作成アプリケーション」の欄にワープロソフトの名前が入っている場合です。ダウンロードする前にツールで編集しましょう。

反対方向に修正しすぎるのも禁物です。FADGIによれば、回転は「読み取り時に資料の位置合わせが不適切なことによって生じる」ものであり、人がスキャナーに原稿を差し込むとき、1〜2度を超えてずれることはまれです。大きな角度は、わざと作ったように見えてしまいます。

このツールで折り目やしみ、影は付けられる?

いいえ。このツールが再現するのは、傾き、ぼかし、ノイズ、色味、コントラスト、端の線です。折り目、しわ、コーヒーのしみ、端の影、遠近のゆがみは加えられず、OCRも行いません。こうした物理的な特徴が必要な場合は、ページを印刷して方法5か方法6を使うか、ラスター画像編集ソフトで描き加えてください(方法4)。

PDFをスキャンしたように見せないほうがよい場合は?

受け取る側が検索可能なテキストを必要としている場合、規則でテキストベースのPDFが求められている場合、またはスキャン風の見た目が書類の出どころを誤って伝えてしまう場合は、PDFをスキャンしたように見せるべきではありません。裁判所、アクセシビリティ基準、多くの行政機関は、文字の画像よりもデジタルで作成されたPDFを好みます。

米国の連邦裁判所は、この点を明確にしています。カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は「直接PDFに変換できない書類のみをスキャンすること」と案内しています。マサチューセッツ州連邦地方裁判所も「スキャンしたPDF文書は一般に検索できず、ファイルサイズも大きくなる」と付け加えています。

もう1つの理由はアクセシビリティです。W3CのWCAG達成方法PDF7は、「文字をスキャンした画像で構成された文書は、本質的にアクセシブルではない。文書の内容が検索可能なテキストではなく画像だからである」と述べています。スキャン風PDFは、あとからOCRをかけない限り、スクリーンリーダーの利用者には読めません。

スキャン風の見た目は誠実に使うスキャン効果が変えるのはファイルの見た目であって、書類が本物かどうかではありません。公的書類、身分証明書、証明書、あるいは自分のものではない署名を偽造したり改ざんしたりするために使わないでください。裁判所、勤務先、行政機関が特定の形式を求めている場合は、その規則に従ってください。検索可能なテキストPDFを必須とし、文字の画像を受け付けないところもあります。

PDFをスキャンしたように見せる正当な理由としては、紙ベースのアーカイブと見た目をそろえる、デザインのモックアップや研修用のサンプルを作る、文書処理ソフトを実際に近い入力でテストする、手元に自分のデジタル原本しかないのに提出フォームが「スキャン」を求めている、といったものがあります。

このツールを作ったのは、PDFを印刷しては、すぐにまたスキャンし直している人がたくさんいたからです。本物らしく見える設定は、どれも控えめなものです。1度以下の傾き、0.1前後のノイズ、軽いぼかし。不自然な仕上がりのほとんどは、すべてのスライダーを一度に上げてしまうことから生まれます。そして、ファイルを端末内で処理しているのは意図的です。人がスキャンする書類は、たいてい個人的なものだからです。
Make PDF look scanned チーム — WebツールとChrome拡張機能の開発者

PDFをスキャンしたように見せる:よくある質問

PDFをスキャンしたように見せたい方からよく寄せられる質問を、プライバシーや費用からWordファイル、署名、ファイルサイズまでまとめました。どの回答も短く、それだけで完結しています。方法や設定について詳しくは、ここまでの各セクションをご覧ください。

これらの回答では、PDFをスキャンしたように見せたいときによくある疑問を取り上げています。どの方法を選べばよいか、プライバシーは守られるか、小さな文字を読みやすく保つにはどうするか、そしてスマホで、提出書類用に、あるいはアーカイブ用にPDFをスキャン風にするにはどうすればよいか、といった内容です。

PDFを無料でスキャンしたように見せるには?

無料のスキャンツールを開いてPDFをドロップし、初期設定のままにするかレシピを選んで、結果をダウンロードします。費用はかからず、アカウントも不要で、スマホを含む最新のブラウザならどれでも使えます。

個人的なPDFをスキャン風加工ツールにアップロードしても安全?

Make PDF look scannedツールでは、そもそもアップロードしません。ページはPDF.jsとcanvasを使ってブラウザ内でレンダリング・処理されます。ファイルが処理用サーバーに送信されることはなく、一度読み込めばオフラインでも動作します。

スキャナーなしでPDFをスキャンした書類のように見せるには?

方法1か方法2を使います。どちらもソフトウェアでスキャナーを再現し、各ページを回転させ、ぼかしてノイズを加えます。スキャナーを使わずに本物の痕跡がほしい場合は、ページを印刷してスマホに標準搭載されている書類スキャナーで読み取ってください(方法5)。

Word文書をスキャンしたように見せるには?

まずWordファイルをPDFとして保存し(「ファイル」→「名前を付けて保存」→ PDF)、そのPDFにスキャン効果をかけます。DOCXを直接アップロードすると、元のテキストだけがA4のページにHelvetica 11ptで残り、フォント、表、画像は失われます。

スキャン風PDFの解像度は何dpiがよい?

150〜200dpi程度だと、一般的なオフィスのスキャンのように見えます。このツールでは、2×が約144dpi、3×が約216dpiに相当します。裁判所やアーカイブは実際のスキャンに300dpiを求めることが多く、これに合わせられるのは物理的なスキャナーだけです。

複数のPDFをまとめてスキャンしたように見せられる?

はい。一括スキャンのページとChrome拡張機能は複数のファイルを受け付け、すべてに同じ設定を適用して、結果を1つのZIPとしてダウンロードします。入力した各ファイルがそれぞれ別のスキャン風PDFになります。

スキャン効果をかけたあともテキストを検索できる?

いいえ。各ページは新しいPDFの中にJPEG画像として保存されるため、テキストの選択も検索もできません。検索可能なテキストが必要な場合は、別のソフトで結果にOCRをかけるか、元のPDFを残しておいてください。

スキャン風PDFに署名やスタンプを入れられる?

はい。スキャン効果をかける前に、位置とサイズを調整してスタンプや署名の画像を配置できるため、ページになじみます。署名は、自分のものか、使用を許可されているものだけを入れてください。

スキャン風PDFが不自然に見えるのはなぜ?

たいていは、傾きが大きすぎる、全ページが同じ角度で傾いている、またはぼかしやノイズが強すぎることが原因です。「回転」は0.5〜2°にとどめ、「回転のばらつき」をオンにし、「ぼかし」は0.3前後、「ノイズ」は0.1〜0.25程度にしてください。

iPhoneやAndroidでPDFをスキャンしたように見せられる?

はい。Webサイトはスマホのブラウザでも動作するので、スマホでツールを開き、「ファイル」からPDFを選んで結果をダウンロードできます。あるいは、書類を印刷してスマホに標準搭載されている書類スキャナーで読み取る方法もあります。

スキャン効果をかけるとファイルは大きくなる?

通常は大きくなります。ページがテキストではなく画像として保存されるためです。「グレー」で1.5×か2×にするともっとも小さく、「カラー」で3×にするともっとも大きくなります。アップロード先のポータルにサイズ制限がある場合は、解像度を下げてください。

PDFをスキャンしたように見せるのは違法?

自分の書類の見た目を変えること自体は、一般的に問題ありません。重要なのは使い方で、改ざんまたは偽造した書類を本物として提出することは違法になり得ます。裁判所や行政機関がファイルの規則を定めている場合は、それに従ってください。多くの機関は検索可能なテキストPDFを好みます。

PDFをスキャンしたように見せるならどの方法を選ぶ?

ほとんどの方にとって、PDFをスキャンしたように見せる最適な方法は無料のブラウザツールです。1分もかからず、端末内で処理でき、傾き・ぼかし・ノイズを細かく調整できます。頻繁にまとめて処理するならChrome拡張機能を、本物のスキャンが求められるときだけ実物のスキャナーを選びましょう。

印刷ダイアログはさっとグレースケール版を作りたいときだけ、画像編集ソフトは綴じ目の影のような独自の効果がほしいときに、スマホを使う方法は速さよりも本物のスマホスキャンの見た目が大切なときに選んでください。見分け方を知りたい方はスキャンPDFとは何か、その見分け方を読んでから、スキャンツールを開いて、お手元のファイルでオフィススキャンのレシピを試してみてください。

PDFを1分以内でスキャンしたように見せる

無料・登録不要で、ファイルがブラウザの外に出ることはありません。ツールを開いてPDFをドロップし、6つのスライダーを調整してダウンロードするだけです。